−50種類の変異原物質についてヒトS9(高い酵素活性を示す肝及び平均的酵素活性を示す肝の2種類)と
ラットS9を用いた場合の変異原性の比較−
共同研究世話人:
羽倉昌志(エーザイ株式会社)、
島田弘康(第一製薬株式会社)、
中嶋 圓(財団法人 食品農医薬品安全性評価センター)、
須井 哉(財団法人 食品薬品安全センター)、
北本 幸子(住友化学工業株式会社)
共同研究参加機関:25機関(2001年6月1日現在)、 HAB協会(佐藤哲男、鈴木 聡)
目的 ・ 計画・ アッセイ化合物 ・ 使用S9 ・ 使用菌株 ・ 試験方法 ・ 進行計画 ・ 連絡先 ・ 参加機関
| <目的> |
|---|
| 化学物質の変異原性・発癌性の潜在的リスクをスクリーニング的に検出するために酵素誘導されたラット肝S9を使用する意義は極めて大きいと思われる。しかしながら、化学物質の変異原性・発癌性のヒトに対するリスク評価をより正確に行うには、特別なラットS9よりヒトS9を用いる方がより合理的と考えられる。以前はヒトS9を含むヒト材料が一般的には入手しにくい状況であったが、最近は、やや高価であるものの比較的容易に入手可能となってきてた。一方、代謝の研究では欧米では今や日常的にヒトミクロソームが利用されているが、ヒトS9の変異原性・発癌性研究への利用は欧米でさえ極めて低く、利用できるデータが乏しいのが現状である。こうした現状を考え合わせると、ヒトS9を用いて得られる変異原性試験の基礎的データをこれから収集することは、ヒトに対する変異原性・発癌性のより正確なリスク評価を行う上で貴重なデータを得ることになると考えられる。ヒトS9の利用は環境中に存在する化学物質のヒトに対するリスクの再評価に有効のみならず、人類に有用な化学物質を開発する際に特殊なラットS9のみを用いた評価では捨てざるを得ないものを救うための重要なデータとなることも期待される。ただ、ヒトS9を用いる試験の有用性を明確に示すには、ある程度まとまった数の化合物についてのアッセイデータが必要と考えられる。この目的を達成するためには微生物変異原性試験研究会での共同研究が極めて有効であると考えられ、本共同研究では、変異原性試験におけるヒトS9の有用性に関する実験データを収集することを目的とする。 |
| <計画> |
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| ヒトの薬物代謝酵素は、遺伝的に均一な実験動物と異なって個人差があることが知られている。そこで、2種類のヒト肝S9、即ち、十数人のdonor肝をpoolして調製したpooled S9と、高い酵素活性を有していたdonorから調製したS9を用いればより多くの情報が得られると期待される。すなわち、ヒトの平均的酵素活性を示すと考えられるpooled S9を用いて平均的ヒトが受けるリスクを評価し、また、高い酵素活性を有するS9を用いて最も感受性の高いヒトに対するリスクを評価できると考え(今年度日本環境変異原学会で発表予定)、各変異原物質についてこれら2種類のヒト肝S9と酵素誘導されたラット肝S9を用いてAmes試験を行い、比較検討する。さらに、S9の種類による変異原性の差と化学構造との関連性も研究課題とする。 |
| 化合物群 | 化合物群の特徴 | 化合物群の種類 | 注意事項 |
|---|---|---|---|
| 1 | exogenous metabolic activationを必要とする。 | 芳香族炭化水素化合物、 芳香族ヘテロ環化合物、 芳香族アミン化合物、 芳香族ヘテロ環アミン化合物、 アゾ化合物、 ニトロソアミン類 ビニル基含有化合物 |
S9非存在下でのアッセイは特に必要としない。 |
| 2 | endogenous metabolic activationを必要とする。 | ニトロ芳香族化合物 | S9は活性化には関与するだけでなく、解毒的にも作用する。S9の種類の違いによる解毒作用の強さを理解することも大切と考えられる。S9非存在下でのアッセイも行う。 |
| 3 | exogenous metabolic activationを必要とするか、特に必要としない。 | その他の含窒素化合物 |
| <使用S9> 以下の3種類を用いる。 |
|---|
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| (注)HAB協議会:Human & Animal Bridge (HAB)協議会は1994年に大学、企業の研究者有志により非営利機関として設立され、同年、米国政府公認の非営利機関であるNDRI(National Disease Research Interchange)と国際協定を結んでいる。1996年から通産省の許可を得てヒト組織を入手しており、その一部は大学や製薬企業の研究者へ研究目的のために実費供給している。ヒトS9の調製はHAB協議会霊長類機能研究所で行われる。 |
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霊長類機能研究所所長:佐藤哲男(千葉大学名誉教授、IUTOX副会長) 実務担当:鈴木 聡 〒270-1402 千葉県印旛郡白井町平塚2802-1 TEL: 047-492-5281 FAX: 047-492-5289 tissue-hab@syd.odn.ne.jp |
| <使用菌株> |
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原則としてTA100の1菌株のみを使用する。 ニトロソアミン類に関しては、アルキル化剤高感受性YG7108を使用する。 ただし、TA100よりTA98の方がはるかに感度が高い場合は、TA98を用いてもかまわない。 |
| <試験方法> |
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| 37℃、20分間のpre-incubationを併用するAmes試験を行う。 |
| 2000年9月:共同研究について各研究機関へ呼びかけ |
| 2000年10月:参加共同研究機関を確認し、最終計画書を完成。 |
| 2001年3月末:データ収集完了 |
| 2001年6月1日:第27回BMS研究会で中間報告 |
| 2001年10月:第8回国際環境変異原学会(静岡)で発表 |
| 2002年3月:投稿 |
| <連絡先> |
|---|
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羽倉 昌志(エーザイ(株) 薬理安全性研究所 川島安全性研究部 〒 501-6195 岐阜県羽島郡川島町竹早町1 TEL: 058689-4726(直通) FAX: 058689-5292 E-mail: a-hakura@hhc.eisai.co.jp |
| 氏名1 | 氏名2 | 氏名3 | 氏名4 | 氏名5 | 所属機関 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 須井 哉* | 米屋 浩子 | 原 巧 | (財)食品薬品安全センター 秦野研究所 | ||
| 2 | 山下康弘* | 田村英之 | 日本新薬(株) 安全性研究部 | |||
| 3 | 安藤福久枝* | 小林孝子 | 林 ひろ子 | キャノン(株) 化学安全部 | ||
| 4 | 晴佐久 満* | 山本康人 | ライオン(株) 安全性評価センター | |||
| 5 | 北本幸子* | 太田美佳 | 住友化学工業(株) 生物環境科学研究所 | |||
| 6 | 吉田知佳子* | 殿山晴美 | 荒木春美 | 富山化学工業(株) 安全性研究所 | ||
| 7 | 西郷和彦 | 鳥越直彦* | (株)新日本科学 | |||
| 8 | 三浦美樹* | 五十嵐美由紀 | 伊東 悟 | 中山志保 | 林崎弥生 | 第一製薬(株) 安全性研究所 |
| 9 | 小島肇夫* | 日本メナード化粧品(株) 総合研究所 | ||||
| 10 | 井上春貴* | Golam Sarwar | 高野睦美 | (株) 実医研 | ||
| 11 | 斉藤優子* | 日研化学(株) 安全性研究室 | ||||
| 12 | 橋本清弘* | 大澤浩一 | 大正製薬(株) | |||
| 13 | 羽倉昌志* | 澤田繁樹 | 杉原忠一 | 堀 雄二 | 内田加奈子 | エーザイ(株) 薬理安全性研究所 |
| 14 | 藤田正晴* | 柳川昌子 | 曽我ふじ子 | 富士写真フイルム(株) 環境・製品安全推進部 | ||
| 15 | 中嶋 圓 | 田中 仁* | 春田由美江 | (財)食品農医薬品安全性評価センター | ||
| 16 | 橋本典子* | 守永太賀彦 | 環境バイリス研究所 | |||
| 17 | 佐竹聖人* | 日本バイエルアグロケム(株) 結城中央研究所 | ||||
| 18 | 大崎利隆* | ホーユー(株) 総合研究所 | ||||
| 19 | 小川いづみ | 久保田理恵* | 日産化学工業(株) 生物科学研究所 | |||
| 20 | 金氏由樹子 | 高橋美津子 | 松下佳代 | 佐藤秀隆* | (財)日本食品分析センター 多摩研究所 | |
| 21 | 片見 誠* | 神本敏弘 | (株)ツムラ 研究開発本部 創薬研究所 | |||
| 22 | 土子郁子* | 東洋インキ製造(株) 開発研究所 | ||||
| 23 | 中村真人* | (社団法人)日本油料検定協会綜合分析センター | ||||
| 24 | 坂田 武* | (株)富士バイオメディックス | ||||
| 25 | 小林一男* | 高島佳代子 | 沖野ゆかり | 小沢重成 | キッセイ薬品工業(株) 安全性研究所 |
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